委託者が死亡したら？

民事信託（家族信託）において委託者が死亡した場合、その信託契約で「委託者が死亡した場合に関する定め」があれば、それに従います。信託契約の中に委託者が死亡した際の定めがなければ、その扱いは、「遺言信託」あるいは「遺言信託以外の信託」によって異なります。

※信託契約の種類についてはこちらをご覧ください
→３種類の信託契約

遺言信託の場合

信託法の定めにより、委託者が死亡しても委託者の地位・権利が相続されることはありません。
なぜならば、その相続人と受益者が一緒ではない場合あるいは相続人の一部のみが受益者であると、その信託財産については受益者と相続人が利益相反の立場になるからです。すなわち、元々の委託者は「委託者としての権利・地位を相続人に与える予定はなかった」とみなされているからです。

遺言信託ではない場合

相続により委託者の地位・権利が相続人へ相続されます。
しかしながら委託者の法定相続人が複数名いる場合など、信託契約の中で定めないことによって通常通り、委託者の地位を相続することで民事信託が複雑化してしまうことが多いに考えられますので、実務上ではどの信託契約であっても委託者の死亡に関する定めを民事信託の信託契約の中に定めるのが一般的です。

民事信託における委託者とは　関連項目

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